| あるある大辞典の実験データ捏造から見えてくるもの | |
| １．実験データの捏造 関西テレビの「発掘！ あるある大辞典Ⅱ」の番組で「１日に納豆２パックを食べることで痩せる」という実験データが捏造された番組が放送された。この番組だけではなく、ＴＢＳの「風鈴を吊るして学習効果を上げている学習塾」の番組のデータ捏造、「学校へ行こう」のやらせ、ＮＴＶのバラエティ番組「カミングダウト」やテレビ東京の「教えて、ウルトラ実験隊」などにも「やらせ」や捏造されたデータが組み込まれていたという 企業の不祥事が多発しているが、それと同時に放送関係の不祥事も後を絶たない。ＮＨＫも民放も視聴率の良し悪しのみを重視した番組制作に偏ってはいまいか。中でもダイエット番組は、多くの人達が関心を持っているテーマであるため、視聴率も高くなることはわかっている。 だからと言って、はっきりした実験データが無いのにも関わらず、「やらせ」や「でっち上げ」をしてまで視聴率を稼ごうとすることは許せない。まして、「実験をやったことにしたり、実験データを捏造」してまで視聴者を騙して視聴率を稼ぐことは絶対に許されることではない。 特に健康をテーマとして取り扱う場合、実験データには体質による身体の個人差や生活習慣が大きな影響を与えることが多いため、長いスパンでなければ確実な実験データの取得が困難になる。そのため、制作期間が限られていることから適当なところで実験をやめざるを得なくなる。つまり、データの捏造をしなければ番組は期日までに完成しないことになる。 これからの番組制作には、是非、科学的な目を持った人材をあてていただきたいし、スポンサーも金だけ出して番組の内容をチェックしないのは無責任だと思う。金を出すということは、スポンサーとして何か目的があってのことであろう。制作担当者任せにせず、自社の社員の中から専門知識をもった者を当てて内容をチェックすべきではないのか。「花王」という会社がスポンサーであればそれが出来たはずである。 私は５０年間、納豆と味噌汁を朝晩欠かしたことが無い。しかし、太ることはあっても痩せた経験はない。豆腐もトコロテンも大好きだし、昆布も魚類や乾物、漬物や梅干等もすきだが、健康を保つためには役立っているとは思っていたが、これらを食べて痩せることが出来るとは全く考えたことはない。 ２．文系と理系の問題 私が見るに、テレビ番組の実験データ捏造（ねつぞう）問題は番組制作担当が文系の者が多かったのが原因ではないかと考えている。すこしでも理系関係者が含まれていたならば、こんなでっち上げの番組が長く続くことはなかったのではないだろうか。科学的な目で見る者が少ないとこのようなデータ捏造番組が発生しやすくなると思っているのは私だけであろうか。 放送関係は理系よりも文系が多く働いている職場だと理解している。特に、番組制作は文系で占められている。であるから、電圧や電流の単位の区別もできないでいる。その良い例が「この電線には高圧電流がかかっている」と平気で言わせているのである。電線に高電圧がかかっていても負荷（電流が流れる物）が接続されていなければ電流は流れないのである。 高圧や低圧とは電圧のことで単位はボルト、電流は大電流とか小電流と言って単位はアンペアである。この場合は「この電線には高電圧がかかっており、大電流が流れている」と言えばよいのである。公共の電波を利用している放送関係者は、常に公平で科学的な立場から番組を制作していただきたいものである。 そして、どこの企業でも管理部門が文系で技術部門が理系となって、文系が理系よりも組織の上位にいるという体制は止めたほうが良い。技術者を大切にしなければこれからも同じ事件が起きることになるであろう。放送番組でアナウンサーに「高電圧、大電流」の区別がつかないような発言をさせている担当者がいる限り、今後も同じことが繰り返される可能性があると言うことである。 しかしながら、技術者が多数を占める理系においても「特許の侵害」、「著作権の侵害」、「研究論文の捏造」、「研究論文の盗用」、「研究費の横領や使途不明」などが多発しているところを見れば、一概に文系の管理部門だけが悪いとも言えない。学研部門や教育部門に効果効率や実績主義を持ち込んだことによる文部科学行政の失敗も少なからぬ影響を与えたのであろう。 ３．教育・技術レベルの低下 ３０年間、職業教育訓練関係の職場に勤務し、１０年ほど前から学生のレベルが年々低下してきている事を身をもって体験してきた私としては、その頃の学生達が卒業して放送関係に就職し、番組制作などで活躍をしているのだと思うが、昔と違って技術レベルも知識レベルも低くなってきているのが実験データ捏造などに少なからず影響を与えているのではないかと考えている。 これからは、捏造データが含まれる情報が多くなってくると予想し、テレビ、ラジオ、新聞の報道内容を鵜呑みにしないことが大切であろう。地球温暖化の問題や自然環境破壊などの報道を含め、「いじめ問題」、「給食費の不払い」、「NHK受信料の不払い」などのさまざまな情報が提供されてくると思うが、賢い視聴者となるため、どれが本当の情報かを分析する勉強も欠かせない。そのためには広い知識の蓄えが必要なのである。 受験に関係しない科目も情報を分析するためには、欠くべからざるものなのである。物理も化学も生物も美術・書道・音楽や歴史も地理も古文も漢文も勉強することが必要なのである。色々な知識があってこそ、あらゆる情報の分析ができ、何が自分に必要な情報なのかの判断が出来るようになるのである。 技術レベルも低下の一途を続けている。中学校おいては高校受験対策を重視するあまり、「技術・家庭」科目が軽視され、最も手先の器用な年代に「もの作り」をしなくなっている。高等学校においては大学受験のために実験実習が軽視されるため、不器用な学生が多くなってしまった。このような学生達が技術者や医者や歯科医になるのだから、関連した技能技術面でのレベルに不安が残ることになる。 ゆとり教育、総合学習、学校週５日制等によって教育レベルも限界まで低下した。おまけに、高校では必修単位を未取得にしてまで受験本位の教育をしたために知識範囲が限定され、創造力が貧弱で応用が利かない指示待ち人間達が激増してしまった。 このような人達が成人しても、放送メディアからの情報の良し悪しを分析して判断できるとは到底考えられない。そうさせてきたのが、国の方針だったと言えば「何時来た道」であろう。太平洋戦争突入の時は新聞やラジオの報道にだまされ、郵政民営化の時はテレビのやらせに騙されて巨大与党が誕生したのである。 ４．危機管理の無さと横並び意識 番組を見て感化された視聴者が納豆を買いに走って品不足を起こしたというが、昔（１９７０年代）の石油ショックの時にトイレットペーパーの買占め行動があったことを思いださせる。その頃も今も人の心理は全く変わっていないのだなと思ったものである。だます方も悪いがだまされる方も悪いと思っている。テレビが放送することは全て正しいという前提でいるのであろう。もう少し懐疑心を持っていただきたいものである。  日本人は、中流意識と横並び的な行動が大好きで自己主張が下手、何かあるとイノシシのように猪突猛進してしまう性格があり、それが良い方向（戦後の経済復興など）であれば問題ないのだが、戦争へ進むような悪い方向になれば危険極まりない国民性なのである。加えて、日本国は、四面海に囲まれているから、海洋国家だと勘違いしている。本当は、島国根性を持った海岸国と言わなければならないのである。すなわち、日本のように自国籍の船舶をほとんど持たない海洋国はあり得ないのである。少なくても、自国籍の船舶、自国民が船を運航する貿易のための商船隊を持って、初めて海洋国と言えるのである。そして、海運政策・海洋教育が上手く施行されていることも重要な要素である。そうでない限り海岸国であり、海洋国ではないのである。 これが、食糧や工業原料の輸入（食糧防衛と食糧自給率など）、シーライン防衛（マラッカ海峡の海賊対策、自国船舶の護衛など）、排他的経済水域の権益確保（中国のガス田問題）などの対処に大きな影響を与え続けている。ロシヤ関係では北方領土の問題、韓国関係では竹島問題、中国関係では尖閣諸島の魚釣島問題等々がある。 平和ボケで危機管理が全く成っていない上に、危機管理教育も受けたことが無く、受験勉強のみに重きを置いて来たために簡単に騙され、振り込め詐欺や近未来通信の詐欺やリッチランド沈没船詐欺などに騙されてしまうのである。宗教に対する考え方の教育もなされていないが、これに対する免疫を持っていないことによる問題もいずれ出てくるであろう。 危機管理面から言えば、新聞もラジオもテレビも全て正しいことを報道していると思わないことが肝心である。何者かが報道管制をしているかもしれないのである。その点、インターネットの情報は雑多ではあるが中に正確な情報が含まれているため、客観的に情報を見つめることができる。いろいろなメディアの情報を集め、それを分析する力を養ってほしいのである。 放送局に文句（苦情）を言うことも必要ではあるが、それと同時に自分のこと（レベル）も考えていただきたい。信じた自分の愚かさ加減を棚に上げていたのではおかしなことになる。某テレビ局の午後のTV番組に「おもいっきり○○○」という健康をテーマにしたものがある。この番組で取り扱ったう食品がその日の夕方の食料品店の売り上げの一番になると聞く。これも極めて単純な頭脳による判断だと思うのは私だけであろうか。 緑茶の効用、梅干の効用、柑橘類の効用、トコロテン、豆腐、リンゴの効用など、様々な食品が出てきて、それが健康に良いと放送されるとその品物が良く売れるのだそうである。関連企業の戦略で関連商品の販売促進のための謀略ではないのかなと疑ってしまう。健康はその単品だけを食べていれば良くなるのではなく、広く偏りが無いように食品の種類を多く摂取することが大切なのである。 ５．団塊の世代の退職と安全低下 これまで日本の産業界、報道関係を支えてきた「団塊の世代」が定年となれば、すべての分野の安全の低下と報道関係の情報の信頼性が低下することであろう。ブレーキの役目を果していた世代が退職することで、技術的なレベルやモラルの低下も加速され、ますますデータの捏造や「やらせ番組」が増えてくることは否定できない。 そのことによって言論の統制や洗脳を目的とした番組が増加し、俗悪低級な番組が増えてこないという保障はどこにもない。現在でも軽薄短小の「お笑い番組」、「グルメ番組」、「クイズ番組」のなんと多いことか。今後、番組を通して視聴者を騙すことが度々発生することになれば、この国の将来は終戦前の「大本営発表時代」に逆戻りしてしまう危険性がある。 |
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 あらゆる分野で不祥事が連続しているが、日本の社会制度が疲労してしまったのであろうか。それとも、何か見知らぬ勢力が裏側で日本国の社会システムを撹乱しているのだろうか。いずれにしても内部告発が盛んになってきていることは事実である。内部告発がないと不祥事が隠蔽されたままになってきたという日本的な体質が問われているのかもしれない。最近では、雪印に続いて「不二家（ペコちゃん）」の不祥事、三菱自動車のリコール隠し、パロマ湯沸器の事故隠し、東京電力の原発検査の不祥事、警察関係の不祥事等がある。何にしても安全対策は最優先で実施していただきたいし、企業は社会的責任を自覚してモラルを高く持って欲しいと思う。 特に国民生活に直接影響を与える食品分野、原発分野、医療分野、犯罪抑止の警察分野、石油関係分野、それに首都圏で鉄道の事故や交通事故などが多発しているが、これらの分野に従事している人達の安全意識のレベルアップ、危機管理のレベルアップを祈らずにはいられない。 また、配管の老朽化によるガス漏れや中毒事故が増えてきている。そして石油プラントや発電関係の配管の老朽化も進んでおり、その対策や設備の更新が後手後手に回っているという。これからこれらの分野での事故が増加するものと思われる。団塊の世代のプロフェッショナルが大量退職することによって、これまで高いレベルで保たれていた安全の低下が促進されるからである。 加えて、保守管理のレベル低下および人材不足による品質管理の低下。そして、責任の所在がはっきりしない、派遣社員やアルバイトの増加、いくら働いても生活保護手当よりも安い賃金しかもらえない「ワーキングプア」の増加も手伝って益々現場の無責任さが増長され、安全の低下に拍車がかかっている。これからは「考えられない・あってはならない事件や事故」が多発してくるであろう。 いずれにせよ、関西テレビで「あるある大辞典Ⅱ」のデータ捏造による放送番組が作成されたということは、このような事ができる下地（システム）が各放送局にあったということであるから、今後は外部の識者による番組内容のチェック体制（科学の目）を厳重にしていく必要があるし、スポンサー側も番組に対する編集責任を負っていただきたいと思っている。 行き着くところは、全ての分野での個々人のモラルの向上、企業の社会的責任と社会貢献、利己主義的な行動の是正、教育の荒廃の問題解決、文系と理系のコラボレーションの成否が日本の将来を決めることになる。 ６．日本国の現状と地球環境 我々が良く考えていかなければならない問題も山積している。教育基本法改正による影響を見定める。日本国憲法の改正、共謀罪の制定や国民投票法案などに対する考え方を誤らないこと、裁判員制度の施行に対する行動と防衛庁が省に昇格した事による弊害などを注視していくことが重要である。 |
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これらの事は、まさに、これからの日本の針路を決め、日本国の国際的な国家の品格を確立して行く事につながっている。しかし、日本国の現状は残念ながら、アメリカの言いなりになっていることから、アメリカの一州の「ステーツ オブ ジャパン：State of Japan」でしかない。 今の日本政府と大企業が進めている軍国化の考え方も、地球が滅亡の方向にあれば、なんの役にも立たないであろう。そんなことより、日本が持つあらゆる分野の総力戦で地球の温暖化の防止と環境の悪化の防止に当たらなければならない。  さもないと、地球環境がさらに危機的な状態に陥ることになる。このまま温暖化が進み環境が悪化すれば、現在の文明が消滅するとの予言もある。日本一国ではどうにもならないから、全世界、全人類が一丸となって地球環境の改善に努めなければ取り返しのつかない事になり、人類は滅亡の道を歩むしかないのである。国内では、鳥インフルエンザとSARS（Severe Acute Respiratory Syndrome：新型肺炎：サーズ／重症急性呼吸器症候群）感染の危険性が増大、北朝鮮とイランの核問題の悪化、東海・東南海巨大地震の接近、関東直下型大地震の接近等がある。これらは完全に防ぐことも回避することも不可能なことである。物的・人的な被害を最小限に留めることが最善の策である。 繰り返して言うが、現在の地球文明が消滅する方向に向かっているのであれば、大日本帝国構想は夢と消え、アメリカ軍事大国も成り立つことはなく、北朝鮮やイラン、イラク問題もパレスチナとイスラエル問題、そしてアフガニスタン問題や中国と台湾問題も解決することなく、地球上から消え去ることになるのである。 「あるある大辞典」の実験データ捏造から見えてくるものと題して記述してきたが、我々が今何をなすべきかに気づいていただきたい。それは、アメリカ生まれの造語である「ロハス：Lifestyle of health and sustainability」という英語の略で、「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」に切り替えていくと言うことである。もう、残された時間は少ない。 このまま行くと、「地球に寄生し、環境を破壊し続け、好き勝手に生きた人類」の全てが消滅させられてしまうであろう。その後は、何事も無かったかのように環境を再生させながら地球はまわり続けることだろう。地球は生きている・・・。 by H.Sato Feb.6,2007
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