アメリカ大統領訪日の意味
ブッシュ米大統領は2月17日午後、羽田着の大統領専用機で来日した。初の日本公式訪問で19日まで滞在したが、そのときの歓迎レセプションに田中前外相が招待されなかったと言う。官邸側は田中事務所に招待状を出したと言うが事務所側は受け取っていないと言う。なにか、角福戦争を二代目同士でやっているとしか見えない。「田中角栄のお嬢さん」と「福田赳夫のご子息」の戦いを政治の場に持ち込んで欲しくないものである。 　それはそれとして、なぜ今回は大統領に経済顧問団が随行してこなかったのだろうか。日本の経済政策に愛想をつかしてどうでも良くなってしまっているからなのだろうか。日本と中国、韓国を訪問して何を伝えようとしたのだろうか。1月29日、アメリカ議会で基本方針の演説をした時の「悪の枢軸」の説明にきたのはたしかだが日本にはどのような役目を伝えたのだろうか。 　ブッシュ大統領が「悪の枢軸」と名指しした「イラン、イラク、北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）」の意味を説明したとすれば、アジア外交に関係する最も近い国は朝鮮民主主義人民共和国しかない。そのために中国と韓国、そして日本に協力を依頼したと見るべきだろう。 　「朝鮮総銀の不正摘発」を考えるとどうも北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）を第二のアフガニスタンと考えているように見えてならない。もし、アメリカがそうのようなことをすれば日本は壊滅的な被害を受けることになる。国内で角福戦争をやっていないで、ロシアや中国がアメリカのイラク攻撃をけん制しているように、日本もアメリカにけん制をかけなければ重大なことになるのではないかと憂慮している。日本外務省、川口外相がんばれ！ 　もう一つ心配なのは、24日、海上保安庁が沈没した不審船の調査を開始したことだ。2月26日に巡視船「いず」が沈没した不審船を発見し、水中カメラの映像を公開した。もし、これが北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）のものだと確定したときはどうなるのだろうか。朝鮮総銀の不正摘発で資金が不自由になった某国は窮地においこまれて、テポドンやノドンミサイルの引き金を引かないとも限らない。 　だとすれば、周知の事実ではあるが、三沢の米軍基地や車力のミサイル基地は狙われている。そうならないように田中外相更迭問題や鈴木宗男氏のＯＤＡ疑惑等に関わっていないで外務省は一致団結して外交に力をいれるべきではないか。三沢米軍基地にロシアの貨物チャーター便が戦後はじめて着陸したというニュースも気になる。いや〜、いよいよ「きな臭く」なってきた！ 　本日（2月24日）の東奥日報の朝刊を拾い読みしてみた。1面の「拉致審査打ち切り、国連、日本家族に通知、北朝鮮側の非協力で」が目に入る。日本人を拉致した疑惑の審査が打ち切られたことを意味するものは重大である。「天地人」を読むと私が投稿した「米大統領の訪日の意味」と似た内容となっている。そして、7面には「米、イラクへの圧力強化。来月以降、全面査察受け入れ要求」とあり、その下に「東アジアの安保で最も危険な要素は何だと思いますか」のアンケート調査がある。韓国は「日本の軍事力」、日本は「北朝鮮の脅威」だと言う。 　同じ面に「ネパール軍が毛派37人殺害、首都、ストでまひ状態」とある。それに「米英特殊部隊、カシミールで作戦、ビンラディン氏補足へ」の記事があり、東チモール関連、マダガスカル首相国家非常事態宣言の記事を読むことができる。記事にはないがイスラエルとパレスチナ紛争も重大な事態になる可能性を秘めている。このように世界情勢が混沌としているとき、日本外交が停滞していて良いのか？ 　どう考えて見ても世界情勢は悪化の傾向にある。悪化の判断材料は、新聞のデータを関心を持って読むことで簡単に得られる。もちろん、2002年冬季ソルトレイクオリンピックでのロシア選手の判定、日本と韓国のスピードスケートにおける失格判定問題も外交問題に発展しかねない。 　中でも朝鮮民主主義人民共和国の非協力で国連人権委員会が日本人拉致事件の審査を打ち切った問題、私はこのことが何を意味しているかを重視したい。加えて「不審船事件の調査」、「朝鮮総銀の不正摘発によるマネーロンダリングの防止」、「米大統領の訪日と中国、韓国への根回し」などの情報を総合的に判断すれば第二のアフガンが東アジアにあることは間違いないと思っている。日本の外務省はいまこそ国民の安全と生命を守るために立ち上がるべきだと思う。　　　　　　　February,27th,2002.
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